隣地の木の枝が自分の敷地に伸びてきて邪魔なとき、
その木の枝を切っても良いのでしょうか?
この問題につき、
令和5年2月22日現在の民法を見てみると、
民法233条
と規定しています。
つまり、
隣地から伸びてきた枝は自分で切除するのではなく竹木の所有者に切除させなければなりません。
一方、民法233条2項により、隣地の竹の根が伸びて自分の敷地にタケノコが生えてきたような場合は、自身でタケノコを切除することができます。
令和5年2月22日現在の民法では、自身で隣地の枝を切除することはできず、枝が邪魔になっていても、竹木の所有者に切除するよう言うしかない状態です。
仮に竹木の所有者が誰かわからなかったり、竹木の所有者との折り合いが悪い場合には、隣地から伸びてきた枝を切るために裁判所を利用するなど一苦労ということになってしまいます。
それではあまりにも不便なので、
令和5年4月から、この隣地の竹木等について規定した民法233条が変わります。
どのように変わるかというと、
民法233条
1 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
3 第1項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。
4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
となります。
つまり、
令和5年4月から、
①竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
➁竹木の所有者を知ることが出来ず、又はその所在を知ることができないとき。
③急迫の事情があるとき
のいずれかに該当する場合には、
土地の所有者は隣地から伸びて越境してきた竹木の枝を自身で切除することができます。