令和4年12月7日、
名古屋地方裁判所は、動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)違反の罪に問われていたペット預かり業者の被告人に対し、無罪判決を言い渡しました。
被告人は、
令和3年1月に、飼い主からしつけのために預かっていた犬の両耳の縁が凍傷で欠損したり、しっぽを骨折したりしていたのに必要な治療を受けさせなかったとして動物愛護法違反の罪で起訴されていました。
裁判官は、
犬の耳の傷については、症状が出血にとどまり、獣医師による治療が必要と判断できる程度のものとは言えないと認定しました。
また、しっぽの骨折については、従業員が散歩の際に扉に挟んだことが原因と認定した上で、従業員が責任を追及されることをおそれて被告人に報告しなかった可能性があると認定しました。
結果、被告人が「故意に治療させなかったとは言えない」とし、被告人に無罪判決を言い渡しました。
【参照条文】
動物の愛護及び管理に関する法律
第44条
1 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの