消毒用アルコールにタバコの火が引火して火災発生

 

 

令和4年8月28日(日)の昼過ぎに、

 

 

名古屋市中区錦の雑居ビルで爆発音がして

 

火災が発生しました。

 

15分程で消火されたものの、30代女性がやけどをして病院へ搬送されました。

 

 

出火の原因は、

 

この女性が雑居ビルの階段で消毒用アルコールの詰め替えをしており、この女性が吸っていたタバコの火が消毒用アルコールに引火したことによると見られています。

 

 

 

 

 

 

過失(=不注意)により、建物に火を付けたり、建物に火はつかなくてもボヤ騒ぎで公共の危険を生じさせると、失火罪として50万円以下の罰金に処せられます(刑法116条)。

 

 

過失が単なる不注意ではなく、重大な過失であると判断されると、重過失失火罪として3年以下の禁錮または150万円以下の罰金に処せられます(刑法117条の2)。

 

 

 

単なる過失で火災を起こしても、失火責任法により民事責任(民法709条に基づく損害賠償責任)は免除されます。

 

しかしながら、重大な過失で火災を起こして他人に損害を与えた場合は、民事責任(民法709条に基づく損害賠償責任)を負うことになります。

 

 

 

 

 

※参照条文

 

刑法108条

放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 

刑法109条

1 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

 

刑法110条

1 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 

刑法116条

1 失火により、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を焼損した者は、五十万円以下の罰金に処する。

2 失火により、第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。

 

刑法117条の2

第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に処する。

 

 

民法709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

失火ノ責任二関スル法律

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

 

 

 

 

 

 

 

 

離婚・男女問題,債務整理,刑事弁護などに強い名古屋の弁護士が所属する山口統平法律事務所