日本で初のエスカレーター条例

 

埼玉県で,エスカレーターの乗り方に関する条例が制定されました。

 

 

条例の名前は,「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」。

 

令和3年10月1日から施行されます。

 

 

※施行=法令の効力を現実に発生させること。

 

 

利用者は,立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない(第5条)

 

管理者は,立ち止まった状態で利用すべきことを周知しなければならない(第6条)

 

 

 

といった義務を明文化した初めての条例です。

 

 

以下,埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例。

 

 

 

 

第1条(目的)

 この条例は,エスカレーター(動く歩道を含む。以下同じ。)の安全な利用の促進に関し,県,県民及び関係事業者の責務を明らかにするとともに,エスカレーターの利用及び管理に関し必要な事項を定めることにより,エスカレーターの安全な利用を確保し,もって県民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

 

第2条(県の責務)

 県は,県民,関係事業者及び関係地方公共団体と相互の連携及び協力の下に,エスカレーターの安全な利用の促進に関する総合的な施策を策定し,及び実施するものとする。

 

第3条(県民の責務)

 県民は,県及び関係事業者が実施するエスカレーターの安全な利用の促進に関する施策及び取り組みに協力するよう努めなければならない。

 

第4条(関係事業者の責務)

1 関係事業者は,エスカレーターの安全な利用に関する理解を深め,エスカレーターの安全な利用の促進に関する取組を自主的かつ積極的に行うよう努めなければならない。

 

2 関係事業者は,県が実施するエスカレーターの安全な利用の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 

第5条(利用者の義務)

 エスカレーターを利用する者(次条において「利用者」という。)は,立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない。

 

第6条(管理者の義務)

 エスカレーターを管理する者(次条において「管理者」という。)は,その利用者に対し,立ち止まった状態でエスカレーターを利用すべきことを周知しなければならない。

 

第7条(管理者に対する指導等)

 知事は,エスカレーターの安全な利用の促進のために必要であると認めるときは,管理者に対し, 前条に規定する周知に関し必要な指導,助言及び勧告をすることができる。

 

 

 

付則

 

1(施行期日)

 この条例は,令和3年10月1日から施行する。

 

2(見直し)

 県は,社会状況の変化等を踏まえ,必要に応じこの条例について見直しを行うものとする。

 

 

 

名古屋の弁護士

山口統平法律事務所