企業が就活生に対し,内定通知を出すと,企業と就活生の間には解約権留保付きの労働契約が成立します。
「解約権留保付き」とは,一定の事情があれば解約することもありますよ,というものになります。
労働者保護の観点から,就活生から内定を蹴ることは自由にできるのですが,企業から内定を取り消す場合には厳しい要件があります。
具体的には,
「採用内定当時知ることができず,また知ることが期待できないような事実であって,解約権留保の趣旨,目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる」場合にのみ企業からの内定取り消しは認められます(by最高裁判所)。
客観的に合理的かどうかは個別の事情に応じて判断されることになります。
コロナ禍による業績悪化を理由に内定取り消しをする場合には,
①人員削減の必要性
②人員削減の手段として整理解雇する必要性
③人選の合理性
④手続きの妥当性
が内定取り消しの合理性について判断される重要要素となります。
違法な内定取り消しは損害賠償の対象となりますので,まずは専門家に相談しましょう。